日本のYouTubeユーザーは多様な嗜好を持ち、年齢層やデバイス利用、視聴目的によって大きく異なる傾向があります。また、広告に対する反応もコンテンツの種類や視聴状況により多様で、特に目的視聴性の高いYouTubeでは広告へのエンゲージメントが高いことが特徴です。
具体的には以下の点が挙げられます。
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年齢別の嗜好と視聴傾向
若年層(特にZ世代13~24歳)はYouTubeの利用率が非常に高く(74%)、スマホを主な視聴デバイスとし、ショート動画の視聴も盛んです。一方、中高年層はパソコンやテレビ(コネクテッドテレビ)での視聴が増え、視聴頻度やジャンルの好みも異なります。シニア層では動画視聴の二極化が見られます。 -
視聴ジャンルの多様性
エンタメ系コンテンツは幅広い年代に支持されていますが、世代ごとに主力ジャンルが異なり、学習・教養系動画も一定の需要があります。これにより、ユーザーの興味関心に合わせた多様な動画が消費されています。 -
視聴デバイスの多様化
スマホが若年層の主流であるのに対し、中高年層はパソコンやテレビ画面での視聴が増加しています。特にコネクテッドテレビ(インターネット接続可能なテレビ)を通じたYouTube視聴が急増し、2021年時点で月間2,000万人以上がテレビでYouTubeを視聴しています。 -
広告反応の多様性と特徴
YouTubeは検索を通じた目的視聴が多く、視聴者のエンゲージメントが高いため、広告に対しても積極的な反応が見られます。特にプレミアムコンテンツ視聴者は広告想起やブランド認知の態度変容が顕著です。広告戦略も従来の獲得系からブランディング目的へシフトし、動画広告の役割が増しています。 -
ユーザーの多様な趣味嗜好への対応
YouTubeユーザーは個々に異なる趣味嗜好を持つため、広告や動画素材も複数用意し、多様なニーズに対応することが推奨されています。また、テレビ離れの一方で、YouTubeをテレビの拡張コンテンツとして利用する層も増え、家族や友人と一緒に視聴するケースも多いです。
これらの点から、日本のYouTubeユーザーは年齢層や利用環境、視聴目的によって嗜好や広告反応が多様であり、マーケティングや広告配信においてはターゲティングの精緻化と多様なコンテンツ提供が重要とされています。
