クラウド型ファイアウォールサービスは、インターネット経由で提供されるファイアウォール機能をクラウド上で利用できるサービスで、代表的なものにCloudflareやSucuriのWAF(Web Application Firewall)があります。これらはWebアプリケーションを狙った攻撃(DDoS、SQLインジェクション、XSSなど)から保護し、DNS設定の変更によってトラフィックをクラウド上のWAF経由に切り替えることで導入します。
Cloudflare WAFの特徴と活用
- 24時間365日の監視体制で、最新のサイバー脅威に対応。専門のセキュリティアナリストが攻撃ログを分析し、適切な対応を行うサービスも提供されている(例:NRIセキュアの管理サービス)。
- DNSのCNAMEやAレコードをCloudflareのWAFサーバーに向けるだけで導入でき、物理機器やソフトウェアの設置不要でスピーディに開始可能。
- 高度なファイアウォールルール設定が可能で、特定国からのアクセス遮断などカスタム対応もできる。
- CloudflareはCDN(コンテンツ配信ネットワーク)機能も持ち、トラフィックの高速化とセキュリティ強化を同時に実現できる。
Sucuri WAFの特徴と活用
- WordPressサイトなどCMSに特化した保護が強みで、DDoS攻撃や不正アクセスからの防御に有効。
- Cloudflareに比べるとCDNやWAFの高度さはやや劣るが、簡単に導入できる点が評価されている。
- DNS設定をSucuriのWAFに切り替えることでトラフィックを検査し、不正通信をブロックする仕組み。
クラウド型ファイアウォール(WAF)全般のメリット
- 導入が容易で迅速:DNS設定を変更するだけで利用開始できるため、即日導入も可能。
- 運用負荷の軽減:ベンダーがシグネチャ更新やメンテナンスを行うため、専門知識がなくても運用しやすい。
- コスト効率が良い:物理機器不要で初期費用を抑えられ、月額課金でスモールスタートが可能。
- ゼロトラストモデルの実現に寄与:社内外の通信を一元管理し、不正アクセスや情報漏洩リスクを低減できる。
- スケーラビリティ:トラフィック増加に応じて柔軟に対応可能。
注意点
- ベンダーによって性能や対応範囲に差があるため、導入前に慎重な比較検討が必要。
- インターネット障害時にはサービスが利用できなくなるリスクがある。
- WAFを経由したアクセスのみを許可するようにWebサーバー側でアクセス制限を設定することが推奨される。
以上のように、CloudflareやSucuriのクラウド型WAFは、Webアプリケーションのセキュリティ強化に効果的であり、導入の容易さや運用負荷の軽減が大きなメリットです。用途や規模、求める機能に応じて選択・活用されることが一般的です。
